帳簿の下の数
一九九七年秋、ある投資銀行の資料室。古い帳簿を写し取る記録係の手のなかで、数字は書くたびに育ち、不渡りはまだ来ぬ日付を先につけて届く。
全189話完結、一九九七年から二〇〇一年まで
第1話から読む- 舞台
- 一九九七年秋、投資銀行の資料室
- 分類
- ダークファンタジー、宇宙的恐怖
1997年10月〜1998年2月
第1〜25話
1写し取る者と前任者の数一九九七年秋、投資銀行の地下資料室。帳簿をマイクロフィルムへ移すキム・ドギョンのもとに、廃業した出版社の箱が届く。9分 2書くたびに育つ法則写し取った残高が翌日には増えている。自分の誤りかどうかを確かめるため、ドギョンは対照実験を組む。7分 3五番目の手「最後まで読むな」と戒める司書の日誌と、箱の中の四束。この箱はなぜ、ほかでもないドギョンのもとへ来たのか。10分 4フィルムの上の日付前任者が最後まで巻き切れなかったフィルムが一本。ドギョンは半分だけ露光したそれを読取機にかける。7分 5生きている数生きた外債の残高は、死んだ残高より速く育つ。ドギョンは外貨保有高が零に触れる日を数えはじめる。7分 6格付の下と潮の律動格下げの通知が公表の前日に端末へ届き、写し取るたびウォン/ドルの相場は潮のように満ちていく。7分 7応答するな測量技師の坑日誌には、六人に対して七行の退職の記録。空いた七行目は、誰を待っているのか。10分 8写し取らなかった数六日前の現金在高表にあった日付と金額のまま、取引先の手形が不渡りになる。ドギョンは試しに一欄を空けておく。9分 9リールの最後のコマ清算に備えて全勘定を撮影せよという指示が下りる。だがドギョンが一つ撮るたび、上の階でその勘定が閉じられる。7分 10帳簿の下の名国が救済融資を申請した日、ドギョンは総括元帳を灯りに透かし、帳簿の下にあるものを読んでいく。10分 11受取人のいない箱九つの投資銀行が止まった日、ドギョンははじめて腹を決めて、四つの日誌を並べて開く。9分 12四束の再読満ちるたび嵩を増す潮と、測るたび深くなる坑。ドギョンは四つの日誌を一つずつ読み直していく。9分 13電文を、もう一度測れば深くなり、満ちれば嵩を増し、読めば移り、応答すれば送る。四束が一つの文になったいま、ドギョンはまだ応答していない。8分 14最後まで読んだ者の印鏡と端末の黒い画面に、ドギョンの喉のあたりで切れた線が映る。そしてドギョンは五番目の束の箱を開ける。9分 15営業停止の律動営業停止は灯台の潮時のように、決まった間隔で一こまずつ来る。ドギョンはラジオより先に次のこまを指す。7分 16カン・ミンソクの会社カン・ミンソクのいる、うちの会社が日付の空いた明日付の名簿に載る。知らせようと口を開くと、音節が散らばる。9分 17許された手保存を命じる通達とともに、移管の箱が地下へ降りてくる。どの箱にも、別の筆跡で同じ戒めが書かれている。9分 18応答することにしたドギョンは自分の整理ノートを五番目の束として箱に入れる。四人がしなかったこと、応答だけがまだ残っている。8分 19応答は席の入れ替えだったカン・ミンソクの名が名簿から消えた翌日、すぐ下の行が割れはじめる。ドギョンはいったい何をしたのか。8分 20発信欄の味二度目の応答。発信欄を押すと名簿が指先について動き、ドギョンはその仕事に味があることをはじめて知る。9分 21止められない手訃報に知った名を見つけたドギョンは、もう押さないと決める。だが空けたその席は、空いたままでいるのか。9分 22受ける者が送る者移した重さの行き先を、ドギョンは最後までたどる。その先で、どの名簿にもない一つの名に行き当たる。7分 23誰の手か取引先を救おうとした応答が、かえって取引先を引きずり下ろす。毎日発信欄を押しているのは、本当にドギョンの手なのか。7分 24代価の加速いまや押す前に隣の行が割れる。カン・ミンソクの最後の行を前に、ドギョンは続けるか止めるかの岐路に立つ。9分 25応答する者読む者から移す者へ、そして応答する者へ。名簿を開くことがもう怖くない朝が来る。10分
1998年2月〜1998年3月
第26〜39話
26顔のある行名簿の単位が会社から人へ下りる。部署の定員削減の項目に、ドギョンはカン・ミンソクの名を見つける。7分 27残り一席の定員資料室にも一席の定員削減が届く。算数だけでいえば、前任者の空席を欠員として処理すれば済む話だ。7分 28下りてきた席二月二十日、定員削減は二席。二つの社員番号を並べると、末尾二桁の差がちょうど一単位だった。8分 29応答する手明け方につけた端末の本文欄が、一行埋まっている。その字の癖は、ドギョン自身の手とそっくりだった。8分 30代わりに閉じた列二月二十二日。両手を発信欄からいちばん遠い机の縁に貼りつけ、ドギョンは一時間を耐える。止まりは何を守るのか。8分 31止まった手はない本文欄の二行目、末尾二桁が埋まる。資金部の番号で、カン・ミンソクの番号の数単位上だった。8分 32彼を取り巻く席夜のあいだに三行目が書かれ、縦の列がカン・ミンソクへまた一単位近づく。発信欄は空だが、自分の手を請け合えない。8分 33先に選んだ行四行目が現れ、カン・ミンソクまでは指二本。止まっているだけでは、下りてくる縦の列を止められない。8分 34まわりを空ける本文欄の四行はどれも資金部。一日を稼ぐには、カン・ミンソクのまわりから一席を選ぶしかない。8分 35彼だけが残る三日のあいだ、ドギョンはカン・ミンソクのまわりを一日ひとつずつ移す。毎朝いちばん遠い行を選ぶ手は、もう震えない。8分 36止めようとする手本文欄に残るのはカン・ミンソクの一行だけ。ドギョンは二時間早く端末をつけ、勘定を別の席へ回す手立てを探る。9分 37真ん中に残った人本文欄に、今度はドギョン自身の行が上がっている。移しても私、移さなくても私だ。9分 38書き終えられる者縦の列は昨夜、ドギョンの行に届いた。九時の告知まで一時間、ドギョンは五番目の束を開く。9分 39次の記録担当ドギョンが去った地下資料室に、新しい記録担当の私が配属される。空いた五つめの机には、受取人のない箱が一つ。9分
1998年3月〜1998年4月
第40〜64話
40保存する手私は五つの束の保存と分類に取りかかる。本文欄の私の社員番号は、夜のあいだに終わりの一桁が一単位増えていた。9分 41いま育っている日誌引継書の最終記載内容を書くため、五つの束の最後の章をもう一度開く。昨日読んだ数字と、終わりの桁が違う。9分 42最後まで読むな三日前は保存担当の心得くらいに受け取った索引カード、「最後まで読むな」。読み直すと、同じ一行が違って読める。9分 43測るほど厚くなる束引継書の資料規模欄を埋めるため、物差しで束の厚さを測る。測るたび、一分ずつ厚く出る。9分 44書く前に書かれている日誌保存日誌をはじめて書こうとすると、今日の日付の上に四日ぶんの処理がすでに私の字で書かれている。9分 45分かれていく字引継書の資料説明欄を書いていると、「束」の字が二つの仮名に分かれる。書き直すほど、さらに細かく分かれていく。9分 46四つの顔をした一つの法則五つの束は上へ行き、机には六番目の束と端末だけが残る。本文欄の私の社員番号の下に、打っていない字が一字ずつ届く。9分 47六番目の椅子終わりの一桁を空けたまま、夜通し明滅する一行。束は移されたが、束が閉じた場所はどこに残っているのか。9分 48同じ法則の違う入口ドギョンの終わりの行が、六番目の束の最初の行へ渡ってきている。私はドギョンの深さを読むことにする。9分 49止まりは扉ではない四月二日、保存を止めてみようと、私は一時間手を膝に置く。手が止まれば、数字も止まるのか。9分 50印が選んだ二つの道上の担当が移管完了の確認に来る。期限は四月八日、済ませられない仕事に日付がつく。9分 51関わりは行いの手前残り四日。何が数字を育てるのか、読むだけ、写すだけ、知っているだけの三行で確かめる。9分 52手より先にある結果残り三日、まだ測っていない行の保存完了が、私の筆跡で日誌に先に書かれている。誰の結果なのか。9分 53送る場所残り二日。移管の箱に束を入れながら、入れる手が保存する手か送る手か分からなくなる。9分 54別の手を呼ばないこと残り一日。蓋をした箱を机の下に留め置けば、せめて広がることだけは止められるのではないか。9分 55選ばずに届く順序移管日の朝、端末で私の番号の下に司書長の番号が満ちていく。ドギョンと違い、私は誰も選んでいない。10分 56二人の司書補の席箱が去った空の机で、端末にさらに二行が満ちはじめる。六番目の束を括った二人の司書補の番号だ。10分 57やめられないこと端末の行は四つになった。止めようとして歩いた道を一つずつ数える。まだ開いている道はあるのか。10分 58測られる側になる夜のうちに私の番号の最後の一桁が満ちた。ほかの行はまだ明滅し、私の行だけが灯ったまま止まっている。10分 59薄れていく手続き私の行が終わりから薄れていく。ドギョンは怯えて見ていたが、私はそれを保存の手続きとして書き留めることにする。10分 60六番目の束私の日誌を収めた六番目の束は五日前に去った。送ってしまった束を閉じに、古い索引箱の前に立つ。10分 61空けることは満たすこと昨日のカードの受取人の欄が、夜を越えても空いている。先に書く手も、その欄だけには触れなかった。10分 62外の観察者の終わり私の行は前の二桁だけになった。着任してからずっと、私は資料の外から資料を世話する者だと思ってきた。10分 63次の手のために私の行に残る桁は一つだけ。それが薄れる前に、ドギョンがそうしたように、次の手へ残す法則を書く。10分 64発信欄の気配夜のうちに私の行の最後の桁まで消えた。それでも私はまだ資料室にいて、発信欄がくり返し明滅する。10分
1998年11月〜1998年12月
第65〜89話
65送る手四月に止まった手は、冬になっても発信欄の前を離れない。そのあいだに、倒れた会社の帳簿が箱ごとまた届く。10分 66明日付の最初の行昨日発信欄に浮かんだ明日の日付が今日になり、その下に見知らぬ番号が一行、夜のうちに満ちている。10分 67応答の代価毎朝番号が一行浮かぶことに慣れた三日目。今日は送ったのは一行なのに、薄れていく行が二つある。10分 68受取人のない発信今日の番号の横に欄がもう一つ引かれた。移管票の受取人の欄だが、そこには一画もない。10分 69冬の名簿日付の下に一行ずつだったものが、今日は十一行の塊で降りてくる。発信欄がはじめて名簿を浮かべた。11分 70応答とは何か名簿の頭の欄が埋まり、冬じゅう送ってきたのがどの部署の名簿かが明らかになる。応答とは何なのか。11分 71手から出る電文数日ぶりに日付の下が空いている。昨夜、発信欄のほうへ伸びた手を、私はまだ引っ込められずにいる。11分 72予告と事件発信欄に私の字の名簿が五行ある。日付がはじめて、明日ではなく今日になっている。11分 73会社と会社昨日来なかった五行目の上に今日の行が重なる。その広い上の桁は、会社一つより大きな何かを指している。11分 74止められない発信今日は一行も送らないと決める。右手を左手で押さえ、発信の帳簿を引き出しの奥にしまう。11分 75司書長へ送る冬じゅう空いていた受取人の欄に、はじめて人が座った。毎日台帳をめくっていた司書長の席のコードだ。11分 76二人の司書補の明日司書長の電文の一桁に指先を置いたまま一日が過ぎた。朝、その一桁が直されている。代価は誰が払うのか。11分 77戻ってきた席今朝、受取人の欄に私の出勤簿の四桁が座っている。送る者も私、受け取る者も私だ。11分 78空の二桁私の行に日付の欄が引かれる。「十二月」のあとの二桁は空いていて、いまがまさにその十二月だ。11分 79私がつくった予告空いた二桁の一つが夜のうちに固まり、私の日付は十日のうちに絞られた。今日の電文もいつもどおり引かれている。11分 80境の崩壊発信欄と受取人の欄を分けていた縦線が、朝には消えていた。送った行と受けた行が一つの欄に混ざる。11分 81誰が送ったのか昨日一つの欄に浮かんだ行が今日も同じ場所にある。私の筆跡なのに書いた覚えがない。誰が送ったのか。11分 82代価の加速席に着く前から二行。行と行のあいだが縮んでいき、私は測る者としてその間隔を測りはじめる。11分 83空の周波数一つの欄が夜のうちに厚くなり、画と地の区別がつかない。はじめて、測るものが何もない。11分 84司書長の最後の行昨夜浮かんだ行が朝も残っている。頭は資料室のコード、後ろの四桁は私のものではない。この部屋にそんな番号は一つしかない。11分 85送る者も送られる空いていた最後の桁に、私の癖そのままの一画が立つ。同じ日、資料室の資料を電算へ移すと知らせが来る。11分 86端末の最後の夜事務局の公文が紙で下りてくる。電算移管と端末搬出は十二月十六日、私の行にある日付と同じ日だ。11分 87空の周波数の発信者電算室が利用記録を抜き出す。照会は分単位で残っているのに、発信の記録は一つもない。11分 88アナログの終わり移管の前日。フィルムと台帳が箱に括られ、書架が空になる。この部屋のアナログ最後の夕方だ。11分 89次の媒体へ十二月十六日、私の行にあったその日。朝、回線が切られ、冬じゅう向き合った古い端末が運び出される。11分
1999年1月〜1999年7月
第90〜114話
90着任一九九九年一月、新しい記録担当が空っぽの地下資料室に初出勤する。引き継ぐ人はおらず、画面の使い方だけを教わる。11分 91目録にない箱机の下の番号札のない木箱を処理するには、会社のものか私物かを決めねばならない。それには開けるしかない。11分 92スキャン平台スキャナーが二台入り、箱の古い日誌を一枚ずつガラス板に載せて撮る作業が始まる。一面十五秒。11分 93写し古い日誌四束のスキャンが終わり、ノートが一冊だけ残る。午後は監査室の求めで、同じ資料の変換版を作らねばならない。11分 94社内網最後のノートまでスキャンを終えた午後、検索を試すと、上げた覚えのない五つの束が社内の共有索引に出てくる。11分 95電算室へ実物がすべて出ていき、私は電算室へ移る。目録にない木箱も抱えて、八つの階を上がる。11分 96午前三時の接続月末の締めで夜を明かし、ログでしか見なかった二時のバックアップと三時の索引を、はじめてこの目で見る。11分 97一度に多くへ社内報に灯台日誌の二行が載る。二行目は、原本で見たことのない文だった。11分 98よみがえった束先送りしていた突き合わせを始める。六百十五面、ファイルにだけある行を一つずつ探していく。11分 99送り出したことのないファイル雑誌社の記者が灯台日誌の取材を問い合わせてくる。出所は、出したことのないパソコン通信の掲示板だった。11分 100読む人が増えた削除された書き込みが別の掲示板に再掲され、写しは七か所に広がっていた。写しごとに、ファイルにだけある行を数えはじめる。11分 101二つめの列対照表の二つめの列を書く約束の日。だが数えるには開かねばならず、開けば閲覧数が一つ上がる。11分 102第七十章何を書くか決められず、日誌に章番号と日付だけを書いて下を空けておく。写しを開くまで、四日こらえる。11分 103正した一行写しの空いていた数値に、二十が入っている。今度は順序を自分で握ろうと、二時間数えずに待つ。10分 104直すものが増える昨日の訂正文についた返信。その投稿者は、私が昨日つくったアカウントだった。10分 105先に書いた三日写しは三章先を行き、数値は三つとも空いている。私は初めて、先に書くことにした。10分 106日付のない章今日残っているのは、数えることだけ。写しには、日付のない第七十六章が開いている。9分 107同じ日の二章日付を空けておいた第七十六章に、日付が入っている。私が見当をつけた日ではない。9分 108外に掛けた数第七十六章が一日先へずれ、今日の数が写しのどこにもない。突き合わせる先が、はじめて消えた。9分 109自分の書き込みが入った数外に掛けた数が、検索と合った。半年ぶりに立った判定を、私は結果を一つずつ開いて確かめる。9分 110数えなかった日写しの数値欄に「数えない日の数」とある。半年ではじめて、丸一日数えないことにした。9分 111手のない更新数えなかった翌日。掲示板のいちばん上に、私の表示名で、接続した覚えのない昨日の書き込みがある。9分 112書かれたとおり日誌には「午前九時、検索実施」の行が先に書かれている。今日は手を膝に置いたまま、九時を越えてみる。9分 113読んだ人の数写しの数値欄には「読んだ人の数」の文字が残っている。人を数えるために、書き込みの閲覧数を開いていく。9分 114二桁写しに九九ではない二桁の年が入り、本社から年表記の実態調査が届く。半年ぶりに、説明が来た。9分
1999年8月〜2000年1月
第115〜139話
115命じられた訂正手を触れれば増えると学んだ部屋に、年を四桁に直せという本社の命令が届く。担当は私ひとりだ。9分 116日付の桁を数える着手報告のため、直す日付の桁を数えなければならない。数えれば増えると学んだ私に、数えて報告せよという仕事が来た。9分 117一九〇〇年指針どおり四番の端末の回線を抜き、時計を二〇〇〇年一月一日零時に合わせる。十分で済むはずの試験だ。9分 118箱の年索引の仕事を始める。指針にない、年がそもそも書かれていない欄から。そのうち四件は、箱の束だった。9分 119九七年の台帳照会画面の一行目に、登録した覚えのない資料がある。一九九七年総合資料室搬出台帳。9分 120一行の手直し九七の横に一九九七と書くカードの仕事は、予定より早い。これも写し取ることだと気づき、終えた抽斗を数え直す。9分 121二度来る日写しが八か月ぶりにその日の日付に合う。だが一箱を搬出すると、台帳には今日の搬出が二行ある。9分 122先に来た十月台帳の三行目が指す十月二十日の箱は、まだ書架にある。目録には、十月下旬の日付が十一行並んでいる。9分 123接続記録の明日昨日の接続記録にあった明日の行が、今日になった。十時十二分、私は照会をしないほうを選ぶ。10分 124九七年の十二月九月九日に開かなかった九七年十二月の台帳が、一度目で開く。書庫の紙の台帳と、一行ずつ照らしていく。9分 125同じ社員番号二年前の台帳の最後の五行に、私の四桁がある。根拠を探しに、書庫へ下りる。10分 126書き取った人The narrator opens the box under the desk an eighth time, now reading the telegraph log for its times, not its words.10分 127電算室の二つの時刻Two machines share one desk, one in October 1999, one in January 2000. Head office wants a separate log for the second.9分 128直すほど増える日The register says the box goes out today. It sits on the shelf, unrequested; the narrator recounts the double entries.10分 129二人の記録者Two items with 'log' in the title turn up: the copy, and a 1997 'Archive Log' from when this room was the archive.10分 130九七年の手Two broken-off sentences, set side by side, refuse to join. And the 1997 log has gained a page since yesterday.10分 131同じ文、違う年The 1997 log's last line appears, word for word, in the narrator's own entry for October 6. Time to reread the log.9分 132五つめの束After a night with the box shut, the narrator lays it all out: four bundles, the notebook, a fifth bundle with no cover.10分 133二つの十二月十六日With the cards finished, only reading is left. Today the narrator counts how many December sixteenths this room holds.10分 134繰り越しの前夜New Year's Eve, on night duty. The rollover procedure's entry for midnight is a single word: wait.10分 135零時Minutes before midnight: the procedure never says to switch anything off. The narrator watches the second hand rise.10分 136〇〇年一月一日First day back after the holiday. From now on, every line written in this room is stored with the year 00.10分 137一つの列に立つ名前Yesterday the narrator saw only the count. Today the recorder list is printed: eight records in this room, six names.10分 138最初の行The list is rerun, sorted by last entry date. If the arithmetic holds, the first line this morning is the narrator.10分 139次の読み手Page sixty-three of the notebook, blank for a year, now has hand-drawn boxes: 'Computer Archive Record Form (draft)'.10分
2000年1月〜2000年12月
第140〜164話
140写して描いた欄Nineteen days of writing in the copied boxes. The narrator goes back and tallies what each box has gathered.9分 141外からの閲覧Some holdings go up for outside reading today. The rules check year, name and page count, never what is written.10分 142発行元の欄On the outside screen, all four entries read 'unknown' under imprint. The narrator knows the imprint.10分 143六つめの束A circular orders each registered item checked against where it sits. Of the eight, only the narrator's log is astray.10分 144読んだ人の数For seven days the narrator has kept the sixth box shut. This morning it opens: how far did the number grow unwatched?10分 145はじめて尋ねてきた人The eight Latin characters from March's query record send an enquiry. All three questions aim at fields marked unknown.10分 146一揃いに綴じるWork with no circular behind it: binding the four as one set needs a relation to enter, and every candidate fails.10分 147編者の欄The compiler field takes a personal name, and only on application. Fifteen months in, the narrator's name is on no page.10分 148割れていく言葉Nine days copying the librarian's 130-page list of holdings by hand. The original has 412 entries. The copy has 413.10分 149増えた深さThe set is one row in the outside list now. The narrator copies the surveyor's field book: 2,342 figures, each twice.10分 150十四番めの潮Fourteen days copying the lighthouse keeper's tide table, first tide to thirteenth, and an odd name shows in the copy.10分 151今日付の電文The telegraph operator's register: 918 messages, nineteen sent a day after receipt, and beside them, 'did not respond.'10分 152五つの束の五つめKim Dogyeong's journal, the fifth bundle, is copied out. It has no boxes, and its last line reads 'to be copied out.'10分 153次の読み手へThe combined copy is back from the bindery, five sewn as one. Only the imprint is blank; the unnumbered page is inside.10分 154発行元を書くMaterial marked unknown is to drop out of the imprint index, just as a second enquiry asks who issued the five.10分 155よみがえった文庫On the weekly refresh, 'Pnakotic Press' appears under P in the imprint index, which lists only current imprints.10分 156A Field That Says WeA sixth sub-number for the set: this room's own computer room log, a page longer each day and bearing no stamp.10分 157What Comes from the Reading SideThree packets come from the outside reader's side. The tide-table pages are from a year this room does not hold.10分 158The One Copied OutA fourth envelope: twelve sheets in the computer room log's form, late 1999 into January 2000, copied by hand outside.10分 159The Seventh ImpressionThis year's stocktaking form has a head for stamped impressions. The narrator counts the notebook's back cover.10分 160The Last Blank PageThe predecessor's notebook is unregistered and must be dealt with. Registering it needs a title, and its cover is bare.10分 161The Form for Handing OverThe handover procedure cites an annexed form that doesn't exist. The narrator got nothing; now it's time to hand over.10分 162Six as One SetEighty-five days on, the amendment goes through and the set holds six. But the compiler field on the list shows no name.10分 163WeThis room has counted the sixteenth of December six times, always as a written date. This year it is the day of writing.10分 164The One Who Reads the First LineThe posting notice names one records keeper arriving on 2 January. Nowhere does it say anyone is leaving.10分
2001年1月〜2001年12月
第165〜189話
165A Room With Two in It2 January 2001: a new records keeper arrives to find the one who handed over still in the room. One desk, two chairs.10分 166The EighthNotebook entered, registrations, articles and impressions all stand at seven. The narrator recounts for the eighth.10分 167The Day They Did Not ComeThe outgoing keeper does not come in. Absence goes in the attendance record, and the staff roll has no line for him.10分 168The Five FieldsThe narrator reads the five handed-over fields end to end: the same field holds different kinds of thing in each hand.10分 169A Field Called MarginStocktaking day. Personnel present must agree with the roll, and the form has a field for counting things with no field.10分 170The Side That QueriesThe narrator's account is issued: eight Latin characters, copied onto paper to set beside the eight in the query record.10分 171The Index of ImprintsPnakotic Press stands as current in the index of imprints, which knows current and expunged and has no box for closed.10分 172The Colophons of FourHead office wants the imprint's whereabouts confirmed from the colophons. The four volumes in the box have none.9分 173The Word for SalvageYesterday's fax log shows five transmissions. The narrator sent four. One more page went out at 10:20.9分 174Material From OutsideTwo columns, sent and received. Received keeps winning, and one number belongs to no one the narrator ever wrote to.10分 175The Copy That SplitNo procedure covers transcripts with no original. After eleven days of searching, the narrator starts copying by hand.10分 176The Hand Before MineThe predecessor's joined strokes match a 1978 transcript hand. The narrator sets notebook beside log, date by date.10分 177The Application to PublishA library wants the set on its interlending list. Only published material qualifies, and the set was never published.10分 178To the Next ReaderBefore the contents, one line: 'this bundle passes to whoever next reads this line.' No name, no date.10分 179Filling the Compiler's FieldEighteen days left to reply, and only the compiler remains. All four union catalogue entries leave that field blank.10分 180The Same EightThe narrator prints yesterday's compiler field from the detail screen and the list. Same field; the two pages differ.10分 181The One Who Published ThemAn enquiry with a postmark and no return address asks who edited the four volumes. The list has no editor field.10分 182The Succession of This RoomThe narrator runs down the handover ledger's fourteen lines. The oldest is March 1978; the article count starts at four.9分 183The Row That Says Kim DogyeongIn October's list of entering parties, three rows now carry names. One of them is Kim Dogyeong.10分 184The Door That Leads OutFour requests to read arrive. Material under review may be issued for reading first, and this room holds that authority.10分 185The Eighth ArticleThe narrator opens the box to eight articles, nothing recording how the eighth came in: a half-bound computer room log.10分 186The Hand That Wrote WeThe eighth article's next page has been blank ten days; the gap between copies is thirty-one. What goes on that page?10分 187The Imprint Is This RoomThe narrator opens head office's reply, sealed for seven days. One page names the account that entered 'Pnakotic Press.'10分 188The Editor's NameThe list has no editor field anywhere. Then the holding library sends copies of the backs of the four colophons.10分 189The Next LineThe term's last day. The narrator opens the examination form, enters the account as examiner, and the applicant's name appears.10分
