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五番目の手

The Fifth Hand

  • 5,093字
  • 約10分

端末が明日の残高を吐き出したその夜、私は眠れなかった。

数字が育つことは実験で説明がついた。しかし、まだ締めていない明日の数字が今日の画面に打たれるという出来事は、どの変数にも縛られなかった。私にはそれを説明する先例が要り、先例は一か所にしかなかった。プナコティック文庫の四束。

前任者は最後まで読むなと言った。だが最後まで読まずには、その果てに何があって彼が警告したのかを知りようがなかった。私は司書の日誌を開いた。四束のうち、数字ではなく文字を扱った唯一の記録。

一九二四年、ミスカトニックという大学の図書館の司書補、キム・ジェヒョン。彼は消えた学長の日記を図書館から持ち出した。その日記には青銅の函と、オリオンでも大熊でもない星座と、ラテン語の刻まれた帯があった。キム・ジェヒョンはそのラテン語を書き写そうとし——その時から、一つの言葉を聞くと、その言葉の音節が別々に聞こえるようになった。

私はその件を読みながら、道理をもって距離を取った。それは一九二四年のことで、精神の病で、小説めいた記録なのだと。私は最後まで読んだ。最後の一枚で、キム・ジェヒョンは学長が破り取った頁を自らの手で埋めはじめ、学長が一八九三年に残した一行に行き着いた。

だ・れ・で・あ・れ・こ・の・文・を・読・む・な・ら——函・を・閉・じ・な・さ・い。こ・れ・以・上・読・ま・な・い・で・く・だ・さ・い。

私はその行を、最後まで、読んだ。

読んで顔を上げた時、机の上の私の索引カードの文字が——昨日まで丸ごと入ってきていたあの見慣れた文字が——別々に離れていた。

短・期・外・貨・借・入・金。

私は目をこすった。灯りが揺れたのかもしれない。地下の蛍光灯は一本がいつも明滅していたのだから。私はもう一度カードを見た。文字は相変わらず切れ切れに届いた。一音節ずつ、別々に。キム・ジェヒョンが一九二四年にそうであったように。

彼はラテン語を書き写していて移された。私は彼の記録を最後まで読んで移された。書き写すことも、最後まで読むことも、同じ扉を開く。前任者の「最後まで読むな」は精神への忠告ではなかった。あれは検疫だった。

病は文字で止まらなかった。私は試しに、昨日端末で目だけに覚えておいた自社の短期外貨残高を思い浮かべた。書かないために覚えたあの数字。頭の中でそれを呼び出すと、桁が別々に離れて届いた。

█兆・█千・█百・□十・□億。

私はその数字を丸ごと掴めなかった。一桁を見ると別の桁が散り、末尾を数えると先頭を忘れた。残高がいくらなのか、私はもう一目で読むことができなかった。

記録を担当する者が数字を丸ごと読めない。司書が文字を読めなければ司書でないように、私ももう自分の仕事ができない人間だった。しかしそれだけではなかった。丸ごと読めない目には、一つ奇妙なことが起きた。

桁が別々に離れると、私はその間の空いた場所を見るようになった。数字と数字のあいだ、本来なら何もないはずのその隙間に、何かが——薄く——書かれていた。丸ごと読んでいる時には見えなかったもの。最後まで読んだ目にだけ見えるもの。

私はその隙間を読もうとカードを持ち上げた。そして、キム・ジェヒョンが一九二四年にそうであったように、それを届いたまま書き取ってはならないということを——その時は、知らなかった。

丸ごと読めない目には、丸ごと読む時には見えなかったものが見えた。

私は四束を机に並べて広げた。分節された目では一つの文を速く読むことはできなかったが、その代わり、文と文のあいだ、束と束のあいだの空いた場所が見えた。四つの記録が、同じ一つの場所を指していた。

灯台守ユン・サンハク、一九三四年、黄海。光と潮。測量技師ペク・ナムス、一九二三年、江原。深さ。電信手シン・ギョンハ、一九三七年、東海。信号。司書キム・ジェヒョン、一九二四年、ミスカトニック。文字。四人は互いに会ったことがなく、扱ったものも光・深さ・信号・文字と違っていた。しかし四つの記録は、一つの文に縮めることができた。

測れば深くなり、書けば育ち、応答すれば送信者になり、最後まで読めば移される。観察する手が対象を育てる。そして四人とも、果てに至って自らが記録していたものの一部になった——潮の下の灯りへ、岩の次の一行へ、空の周波数の発信者へ、そして次の頁をめくる読者へ。

測量技師とは坑の深さを測る人ではなく、坑がどれだけ深くなったかを我が身で書き取る一本の線だ。

そして四束の表紙には、出した者の印章の下に、同じ一行が押されていた。編集者の後書きの最後に必ず置かれる、あの一行。

我々はもう少しだけ、見ている。

プナコティック文庫。私はそれを廃業した出版社としか知らなかった。しかし四束を並べて見ると、それは本を出すところではなかった。それはこうした記録を収め、一字も改めずに写し取って、次の人へ手渡す手だった。写し取るという営みが何を呼び起こすのかを知りながら、写し取る手。「我々」というその手。

四人は順に記録し、順に呑まれた。彼らの記録は次の人へ手渡された。測量技師の岩に線が増えるように、電信手の空の周波数に発信者が継がれるように。ならば五番目は誰なのか。この箱は誰の机へ流れてきたのか。

箱が我が社の倉庫へ流れ込んだのは偶然ではなかった。前任者がそれを請求し、彼の消えた席に私が座り、その箱が私の机へ降りてきた。私は四束を読み、最後まで読み、移された。私は五番目の手だった。

私は箱を持ち上げ、蓋の内側を見た。そこに、印章の押された跡が五つあった。四つには四束の表紙と同じ印章が押されていた。五つ目の場所は——空いていた。押されたことのない、設けられたばかりの空欄。五番目の記録者の名を待つ場所。

私は自分の索引カードと、毎日書いてきたあの日誌を見た。短期外貨残高、対照実験、端末の社訓。最後まで読んだあの日々の記録。私はずっと何かを写し取っていた。五番目の束を、今、自分の手で。

ペンを止めた。五番目の束を私が書いているのなら、それを最後まで読む次の人は誰なのか。そして誰がそれを収め、一字も改めずに写し取るのか。

私はすでに知っていた。この日誌の最初の一枚に、私の書いていない一行が——いつのまにか——書かれていたのだから。「これは我々が最後に収めた記録である。」

五番目の束を私が書いているという考えから逃れるには、事実が要った。写し取ったことのない、硬い事実が。私は前任者が誰だったのかを調べることにした。

人事部に彼の人事記録を請うた。引き継ぎの索引を仕上げるには前任者の担当履歴が要るのだと、私は取り繕った。半分は本当だった。担当者はキャビネットから薄い封筒を一つ出してくれた。

封筒の中のカードは、分節された目では読みにくかった。一音節ずつ離れて届いたので、私は指で文字をなぞりながらゆっくり読んだ。

名前の欄の最後の一字は黒い墨で消されていた。保存期限の過ぎた項目を人事部が抹消したのだと、担当者は素っ気なく言った。姓と名の一字は読めたが、末尾の字は擦り切れたように墨の下に埋もれていた——灯台守の日誌で、末尾が擦れて読めなかったあの前任者の名のように。

入社の日付、資料室への配属の日付、そして撮影日誌の最後の一行。彼が最後にした仕事は、自社の短期外貨借入金元帳をフィルムに移すことだった。その行の末は途切れていた——フィルム缶の番号が、書きかけのままで。その日以後、彼は出勤せず、その席は依願退職として処理された。退職届は保存されていなかった。

封筒には請求伝票も一枚挟まっていた。倉庫から資料室へ何かを請求した記録。請求者は彼で、請求した品は——廃業した出版社「プナコティック文庫」の資料の箱だった。

箱は倉庫から偶然流れ出てきたのではなかった。前任者が請求した。彼の消えた席に私が座り、彼が請求した箱が私の机へ降りてきた。四束を次の手へ渡す仕事は、倉庫ではなく彼がやったのだ。次の手である私に。

私は担当者に、その前は誰が資料室の記録担当だったのかと尋ねた。担当者は肩をすくめた。資料室の席は人が長く居着かないのだと言った。そう言いながら彼は、同じ席の古い人事記録をキャビネットから一束出して机に置いた。保存期限が過ぎ、じきに廃棄されるものだと。

私はその束をゆっくり繰った。同じ資料室記録担当の席の、歴代の担当者たち。入社と依願退職。入社と依願退職。退職届は、一枚も保存されていなかった。文字が別々に届く目で、私はその依願退職の日付を指でなぞりながら数えた。

依・願・退・職。依・願・退・職。依・願・退・職。

数えながら私は止まった。最も古い依願退職の記録の日付が、我が社の設立の日付より前にあった。

会社が生まれる前に、会社の資料室の席が人を依願退職として処理することはできない。私はそのカードを灯りに近づけた。読み違えではなかった。資料室記録担当の席は、その席を置くべき会社が生まれる前から人を受け入れ、受け入れた人を順に送り出してきた。測量技師の岩に人より多くの線が刻まれたように。掘る者がいないのに坑が深くなったように。

空いた机は前任者のものではなかった。あれは席だった。会社より古い席。箱を受け取り、写し取り、最後まで読み、次の手へ渡して——消える、その席。

私は封筒を閉じながら、一つのことに遅れて気がついた。人事部の担当者が私に渡したあのカードの束には、いちばん最後に、たった今埋められた一枚があった。入社の日付だけが記され、依願退職の日付はまだ空いた、新しいカードが一枚。その名前の欄には、私の名が書かれていた。

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