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増えた深さ

The Depth That Grew

  • 3,736字
  • 約10分

四月二十五日。測ったものが、深くなった。

九時半に、合綴確定後の画面を見た。

四月二十日に確定した。一揃いが、一覧に一行で載っている。

その行を開くと、枝番の五つがなかにある。一つを開いた人が、五つを見る。

二十日前、そうなることを望んで申請書を書いた。そうなった。

発行元欄は不明だ。編者欄は一覧にない。

表題は見える。

プナコティック文庫という名が、外部の画面に出た。索引には引っかからない。表題としては見える。

九時五十分に、照会記録を出した。

五日のあいだに、一揃いの行が二十九回開かれた。

アカウント欄を見た。二十六が外部だ。三つが英字八文字だ。

三月四日に一度出た、あの八文字だ。問い合わせを送ってきた側だ。

一揃いが出て五日で、その人が三度開いた。

十時から、枝番二を対照した。

測量技師の野帳だ。二百六枚で、五つのうちいちばん厚い。

一行に、地点番号と測深の値と測った日がある。値は二千三百四十二だ。

十一日のあいだ、手で写した。

十時半から十二時まで、値を一つずつ合わせた。

十一日のあいだ、数を写した。

三日前に写したのは言葉だった。言葉には意味があるから、間違えれば目に引っかかる。一字ずれれば、言葉にならない。

数は引っかからない。三と八が入れ替わっても、数は数だ。読みながら間違いに気づく手立てがない。

二度書いて、二度を突き合わせながら進んだ。だから十一日かかった。

二度書いたものは、互いに合う。原本とは合わない。

個数は同じだ。二千三百四十二で、写しも二千三百四十二だ。

値が二十三違う。

二十三とも、写しのほうが大きい。

小さいものは一つもない。

十二時半から一時まで、大きくなった値が何なのかを見た。

二十三を一つずつ、原本にあててみた。

二十三とも、原本の次の一枚の同じ位置の値と同じだ。

一枚後ろにある数が、前に来ている。

一時十分に、最後の一枚を見た。

二十三のうち一つが、二百六枚目だ。

二百六枚目には、次の一枚がない。野帳はそこで終わる。

写しのその場所に、値がある。

その値が、原本のどこにもない。

二千三百四十二を全部たどった。ない。

その値を、もう一度見た。

原本の二千三百四十二のうち、いちばん大きな値より大きい。

原本でいちばん深いところを探して、あててみた。それより深い。

この野帳でいちばん深い数が、この野帳になかった数だ。

その場所が、最後の一枚の最後の一行だ。

野帳がそこで終わったわけは、書かれていない。最後の一枚の下にあの十三字が押されていて、そのすぐ上がその行だ。

四つの最後の一枚に、どれもあるあの十三字だ。

その十三字のすぐ上に、私の書いた数がある。

一時半から二時半まで、八か月前に書いたものを探して読んだ。

八月に、この部屋ではじめて書いた法則がある。

食い違うのは、いつも写しの側だ。

あのとき、写しは機械が作った。機械が一日先に書き、機械の側の数が大きかった。

十一日めの今日、写しは私の手が作った。

三日前の司書のものも、私の手だった。

二度なら、一度ではない。

二時半から三時半まで、大きくなるということが何を意味するのかを見た。

測深の値は深さだ。値が大きければ、水がより深い。

二十三の地点で、写しの水が原本より深い。

測る人の記録のなかで、水が深くなった。測った人は六十六年前にその場所にいて、そのとき、その深さを測った。

いまその場所へ行って測れば、どちらが出るのか、この部屋では知りようがない。

行ってみることもできない。野帳には地点番号しかなく、それがどこなのかは別の帳簿にある。その帳簿は、この部屋にない。

三時四十分に、二十三がどこにあるのかを見た。

二百六枚に、むらなく散らばっている。前のほうに八、なかほどに七、後ろのほうに八だ。

十一日のうちどの日に書いたかでも分けてみた。それもむらがない。

疲れていそうなところに固まってはいない。最初の日にもあり、最後の日にもある。

三時五十分に、二十三の測った日を数えてみた。

十二月が十一だ。

全体を数えた。二千三百四十二のうち、十二月が百九十四だ。

百分の八ほどだ。

二十三のうち十一は、百分の四十八だ。

勘定の上では、多い。

多いということが何を意味するのかは、書かなかった。書く欄がなく、書けば一方へ傾く。

四時十分に、右側の資料を開いた。

三百三十三章だ。増えた章の日付は九八年五月二十四日だ。

私の日誌も、今日で三百三十三章めだ。

四時半に、箱を開けた。

七つだ。跡は六つだ。六十一日めだ。

七月には、跡が六つになり、物が六つになるまでに百七日かかった。今日が六十一日めだから、その勘定ではまだ四十六日残る。

勘定で待つことが勘定ではないのは、わかっている。それでも、数えている。

五時に、六つめの欄を見た。

六百三十八だ。

五時十分に、枝番二の要約十行を書いた。

二百六枚で、値は二千三百四十二だと書いた。

個数は同じだから、この行は原本と写しで違わない。

値が二十三違うということは、十行に入らない。

司書のものは、個数が割れた。測量技師のものは、値が大きくなった。

どちらも写しの側だ。増えた場所が違う。

一つは行が一つ増え、一つは行はそのままで、なかに入った数が増えた。

次は、灯台守の潮時表だ。

潮時は、個数でも値でもない。順序だ。

順序がどう増えるのかは、わからない。

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