八月九日。ないところが、一覧にある。
九時十分に、発行元索引を開いた。
現行の発行元の一覧だ。五十音順で、一頁に二十四ずつ並んでいる。
プの項へ行った。
プナコティック文庫がある。
九時二十分に、その行を見た。
欄が四つある。発行元名と、資料件数と、初回登載日と、最終更新日だ。
件数は一だ。合綴本だ。
初回登載日は、二〇〇〇年八月九日だ。最終更新日も同じだ。
九時四十分に、索引のまえがきを読んだ。
現行の発行元を載せる、とある。
履歴は別に置かない、とある。
載っているものは、現行だ。ほかの意味で載る場所がない。
十時に、四つを一つずつ開いてみた。
四つの発行元の欄は、不明だ。二月に、そのままにしておいた。
索引に載ったのは、合綴本一つだ。
同じ印が捺された五つのうち、一つが現行で、四つが不明だ。
十時二十分に、要領を見た。
同じ表示のある資料は、同じように書く、とある。
四つに表示がある。五つ、どれにもある。
十時半から十一時まで、四つを直した。
索引のその行へ戻った。
件数が五だ。
十一時半に、外す場所を探した。
廃業した発行元を集めておく一覧があるかどうかを見た。
ない。
現行の一覧が一つきりだ。入る扉はあり、出る扉がない。
十二時に、本社から様式が一枚来た。
新規登載発行元の確認、とある。
欄が四つある。事業者番号と、所在地と、代表者と、連絡先だ。
四つとも、ない。
十二時半に、様式の裏を見た。
事業者番号がない場合は、旧本の発行元に分類する、とある。
旧本の発行元は、確認の対象ではない、とある。
欄を四つとも空ければ、確認はされない。
十二時四十分に、四つを空けて送った。
空けるのは、はじめてではない。二月にも空けた。
二月に空けたものは、画面で不明になった。
今日空けたものは、確認を免れさせた。
同じことをして、出てきたものが違う。
一時に、照会記録を開いた。
経路の欄がある。表題と、発行元と、記入者と、年がある。
これまでは、表題だった。
今朝、発行元から入ってきたものが二つある。
表題を知らない人が、プの項をたどって入ってきた。
一時二十五分に、三通めの問い合わせが来ていた。
発行元の経路から入った、とある。
プの項をたどっていて、この名前を見た、とある。表題は知らなかった、とある。
三月のものと八月二日のものは、表題を先に知っていた。この人は知らなかった。
索引に載るまえなら、探しあてられなかった人だ。
一時半から二時半まで、よみがえらせたものが何なのかを書き出してみた。
そのところは、ない。索引には、ある。索引は現行のものしか載せない。
私は、九字を書いた。
その九字は、印にあったものだ。印は五十年たっても変わらない。
つくった字ではない。写し取った。
八か月のあいだ、写し取ったものは増えた。行が増え、値が大きくなり、空いた欄が埋まり、日付が動き、章が増えた。
今度は、増えなかった。あるものになった。
二時半に、どちらがしたことなのかを見分けようとした。
欄があった。欄は現行のことしか訊かない。訊かれたとおりに書いた。
書く根拠はなかった。根拠を求める欄もなかった。
欄は、ないものを訊かず、あるものを訊いた。
私が埋めた。欄がそうなっていた。
二つのうちどちらがよみがえらせたのか、数えるものがない。
三時から三時半まで、電話を待った。
二月に話した担当者のもとに、索引の更新分が届くはずだ。
来なかった。
旧本の発行元は、確認の対象ではない。
四時に、右側の資料を開いた。
四百三十九章だ。増えた章の日付は、九八年九月七日だ。
私の日誌も、今日で四百三十九章めだ。
記入者一覧は四行だ。
四時四十分に、件数を見比べた。
索引の件数は五だ。合綴本のなかの枝番は五つだ。
箱に入るものは六つだ。私の日誌が六つめだ。
索引は箱を数えない。箱は索引にない。
四時五十分に、箱を開けた。
七つだ。跡は六つだ。百六十七日めだ。
五時に、六つめの欄を見た。
二千五十九だ。朝は二千四十六だった。
五時十分に、照会記録を出した。一揃いの行が、昨日九度開かれた。英字八文字が五つだ。
五時半に、索引のその行をもう一度開いた。
欄は五つだった。さっきは四つと数えた。
初回登載日の隣に、もう一つある。
登載事由だ。自動生成分、とある。
発行元表示確認、と書かれている。
五時四十分に、確認した人を探した。
欄がない。
自動生成分には記入者が残らない、とある。
確認したのは、私だ。
ないところをあると書いた人が、その行にいない。
行は、ある。