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写し取る者と前任者の数

The Copier and the Predecessor's Number

  • 4,744字
  • 約9分

古い元帳をマイクロフィルムに移す仕事で、その日も暮れた。資料室は投資銀行の本館、地下二階にあり、蛍光灯はいつも一本が明滅していた。私は撮影台の前に座り、黄ばんだ元帳の一面をガラス板の下に広げ、シャッターを切った。フィルムが一コマ巻き取られる音がした。次の面。シャッター。次の面。写し取る仕事には、ある種の慰めがあった——数字はあるべき場所にあり、一面を移せば、その面は永久にその場所へ留まったのだから。

地下の資料室。ガラス板の下に広げられた元帳と空いた椅子、一本だけ明滅する灯り。

投資銀行の資料室で記録を担当する者の仕事は、消えゆくものを消えないように移すことだ。決算の終わった元帳、満期の過ぎた手形、清算された勘定。本社はそれらをフィルム一巻に収めて倉庫へ送り、私はその合間に数字を移した。一九九七年の秋だった。その頃、本社の人々は廊下で低い声で外貨という言葉を口にし、短期という言葉を口にした。私にはそれらを移す機会がなかった。私の仕事はもう終わった帳簿だったのだから——少なくとも、その時までは。

私の前には、前任者が残していった机があった。彼が誰だったのか、私は知らない。引き継ぎは人事部からの書類一枚で済み、残されたものといえば、整理されかけの索引カード一束と、長く点けっぱなしにされて焦点つまみの擦り減った撮影台が一つきりだった。彼はある日出勤せず、人事部はその席を退職として処理した。退職届は保存されていなかった。

その日の午後、本館の倉庫から箱が一つ、資料室へ降りてきた。廃業した取引先の資料だと、運搬票にはそう記されていた。取引先の名は出版社だった——「プナコティック文庫」。投資銀行が出版社とどんな取引を持っていたのか、運搬票は答えなかった。ただ、その出版社が我が社に負った債務を清算しきれぬまま廃業し、担保に取られた資料が倉庫へ流れ込んだということだけを、私は後になって知った。

箱は紐で括られていて、その結び目には、幾度も手が触れた肌理が染みついていた。私はそれをほどいた。中には四束の記録が入っていた。印刷された本ではなく、手で書かれた日誌だった。一つは灯台守のもの、一つは測量技師のもの、一つは電信手のもの、一つは司書のもの。それぞれの束の表紙には、同じ出版所の印章と、同じ一行が押されていた。

紐で括られた四束の手書きの日誌。幾度も手の触れた結び目。
我々はもう少しだけ、見ている。

私はその一行を指先でなぞった。背筋を伝って地下の冷気が掠めた。「十月の地下は、どこもこう冷えるものだ」。胸の内でそう呟き、箱から噴き出してくるようなその冷たさを、道理で説明しようとした。箱がそこにあるから冷たいのではなく——もともと冷たい場所に箱が置かれただけのこと、と付け加えた。

古い出版社の在庫だ。担保に取られて流れ込んだ、清算されなかった紙の山。廃業した会社の資料から手垢の染みた紐が出てくるのは、おかしなことではない。誰かが長く扱ったから括られていたのだ。それだけのこと。

前任者の索引カードの束を思い出したのは、その時だった。整理されかけのあのカードたち。私はそれを取り出し、最後の一枚を見た。彼が最後に索引を記していた資料が何だったのかを。カードの分類欄には、見覚えのある出版所の名が記されていた。

プナコティック文庫——整理保留。写せ、ただし最後まで読むな。

写せ、ただし最後まで読むな。前任者の手跡だった。索引担当が資料を整理しながら「読むな」と書き残すことはない。索引とは、読まなければ書けないものなのだから。私はその一行を道理で説明しようとしたが、説明は届かなかった。

その日の最後の仕事は、本社が降ろしてきた決算元帳を一冊、フィルムに移すことだった。清算された勘定の帳簿だった。私は一面をガラス板の下に広げ、シャッターを切った。短期外貨借入金の残高が記された面だった。末尾まできっちりと移し記された数字。私はそれをフィルムに収め、索引カードにその残高を手で書き写した。数字は嘘をつかなかった。もう終わった帳簿の、もう清算された残高だったのだから。

私はその日の記録をそう書き記し、資料室の灯りを消した。一本だけ明滅していた蛍光灯が、最後にもう一度だけ明滅して消えた。

翌朝、私は前日移したあの短期外貨残高を元帳と照合した。フィルムのコマは昨日のままだった。索引カードに手で写した数字もそのままだった。しかし元帳のその面——すでに清算され、二度と書かれることのないその面——の残高は、末尾の桁が一つ増えていた。

増えた末尾の桁を、私は三度見直した。

前日移した短期外貨借入金の残高。フィルムのコマは昨日のままで、索引カードに手で記した数字もそのままだった。二つは互いに合っていた。合わないのは元帳だった。清算され、二度と書かれることのないその面の残高だけが、末尾の桁を一つ余分に付けていた。

私はそれを道理で説明しようとした。誰かが訂正伝票を切って残高を直したのだろう——決算の終わった勘定でも、事後の訂正はありうる。私は訂正台帳を開き、その勘定の番号を探した。その面には何の訂正もなかった。その日も前日も、その勘定に手を触れた者はいなかった。

ならば、私が見誤ったのだ。昨日の私は末尾を一桁短く読み、今日の私は正しく読んだ。疲れた目が数字を一つ取りこぼしただけのこと。それだけのこと。

それだけだと信じるために、私には比べるべき別の記録が要った。同じ勘定を私より先に移した者の記録が。

前任者の索引カードの束を、私はもう一度取り出した。整理されかけのあのカードたち。昨日は最後の一枚だけを見たが、今日は初めから繰った。彼は几帳面な人だった。勘定ごとにカード一枚、残高と日付、フィルム缶の番号まで。短期外貨借入金のカードは、束のちょうど真ん中あたりにあった。

彼がその残高を移したのは、その年の七月だった。四か月前。

そして七月に書き入れた数字は、今朝、元帳が末尾を増やして到達した、まさにその数字だった。

私はカードを灯りに近づけた。見誤りではなかった。四か月前、前任者が手で移した短期外貨残高と、今朝、清算された元帳がひとりでに増やした残高が、末尾まで同じだった。元帳が育ったのではなかった。元帳は、四か月前に誰かがすでに記しておいた数字へ向かって——遅れて——追い上がってきたのだった。

指先に地下の冷気が上ってきた。私はそれを道理で説明しようとしたが、説明は届かなかった。

カードの残高欄の下に、前任者は小さな字で一行を書き添えていた。だがその行は消されていた。鉛筆ではなく、刃の先で削り取ったように、紙の肌理が逆立っていた。私はカードを斜めに傾け、光を当てた。削られた跡の間から、押し込まれた字の輪郭が浮かび上がった。

次のカードの数字。私はその言葉の意味を推し量った。彼は七月に、まだ書いていない次のカードの数字を先に書いた、ということだ。清算された元帳が四か月かけて追い上がってきた、その数字を。彼はそれがどこから来たのかを知っていて——だから消したのだ。

最後の一枚に残した一行が、今は違って読めた。

写せ、ただし最後まで読むな。

私はそれを、プナコティック文庫の四束についての戒めと読んでいた。古い日誌を最後まで読むな、と。しかし彼が写していたのは日誌ではなく、帳簿だった。最後まで読むなと言われたものは——数字だった。欄を満たし、その下へ、さらにその下へと続いていく数字。

私は短期外貨借入金のカードをもう一度見た。前任者はその残高を記し、フィルム缶の番号を記した。そしてカードの片隅に、矢印一つとともに、次のカードの番号を書き添えていた。索引をつなぐ彼の癖だった。矢印が指す番号は、束の次の欄にあるはずだった。

私はその番号のカードを探した。

なかった。

矢印が指した次のカードは、束のどこにもなかった。その場所には、カード一枚が抜けた分だけの隙間があるきりだった。誰かがそれを抜き取ったか——書くはずのカードを、書けずじまいだったか。

私は空いた場所に指を当てた。カード一枚分の隙間は冷たかった。両隣のカードよりも、はっきりと。

その隙間が空いている限り、矢印は行き場がなかった。だが前任者の癖どおりなら、その次のカードにも矢印があったはずだ。さらにその次を指す矢印が。数字はカードからカードへ、書かれる前からすでに次を指しながら、つながっていた。

私はその日、資料室の灯りを消せなかった。空欄の次のカードがどこにあるのかを、私はすでに見当をつけていた。前任者が最後にフィルムを回していた、あの缶の中に。彼が出勤しなかったあの日、最後まで巻き取られなかった、あのフィルムの中に。

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