キングスポートは、ラヴクラフトのニューイングランドの舞台に位置する架空の海辺の町で、セイレムに隣接するマサチューセッツ州マーブルヘッドを模している。町の岩の断崖は、マーブルヘッドとロックポートの断崖をモデルとした。
1920年の短編「恐ろしい老人」で初めて登場し、「祭」(1923年執筆、1925年発表)や「霧のなかの奇妙な高い家」(1926)にも現れる。ラヴクラフトは1922年にマーブルヘッドを実際に訪れる前から、すでにキングスポートを創案しており、のちにその訪問を「四十年近いわが生涯における、もっとも強烈なただ一つの感情的絶頂」と回想した。
キングスポートは、アーカム、ダニッチ、インスマスとともに、ラヴクラフトが共有したニューイングランドの地理の中核をなす舞台のひとつとして機能する。