ハイボリア時代は、ハワードが一九三二年のエッセイ「ハイボリア時代」で詳細に構築した架空の先史時代であり、アトランティスとレムリアの沈没のあと、新たな諸民族が世界を編みなおしてゆく時期を背景とする。この時代にはアクィロニア、スティギア、キンメリアをはじめ、独自の文化と宗教と歴史をそなえた数十の王国が存在する。
ハワードはこの虚構の世界を現実の歴史に巧みに結びつけ、ハイボリア時代の諸民族がやがてケルト、ゲルマン、スラヴといった史上の種族の祖となったと説いた。この疑似歴史的な枠組みが、コナンの世界に独特の奥行きと考古学めいた手応えを与えている。