アクヴァン・ディーヴは、フェルドウスィーの大叙事詩『シャー・ナーメ』に登場するディーヴ、すなわち魔物だ。カイ・ホスロー王の時代、身を隠し、野生のロバとなり、嵐へと変わる存在で、太陽のように輝く体で野ロバの群れに紛れていた。王はそれが魔物だと見抜き、英雄ロスタムに滅ぼせと命じる。
アクヴァンは眠るロスタムの周りの地を刳り取って空へ持ち上げ、山に投げるか海に投げるかと問うた。ロスタムは魔物の心がねじれ、頼んだことと逆をすると知り、山を頼んだ。そうして海へ投げられ、生き延びた。頼まれたことと逆に動く、ついに知れぬねじれた知性であるという点が、我々の世界観の観測の曖昧さと通じる。